BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

構成要件該当性の復習

スキーの初心者が上級者コースを滑った場合

 実行行為は、コースを滑走しはじめた時点に求めるべき。

 よって、止まらなくなってから、他の滑走者に衝突してもやむをえないと考えても、構成要件該当性を左右することはない。

 コースを滑走し始めた時点で、十分な技能を有しないにも関わらず、上級者コースを滑ったことに過失がある。

 結果的に、過失致傷罪の構成要件に該当する

強制わいせつ罪(傾向犯?)の成否

 最高裁判例では、最高裁は、強制わいせつ罪の成立には「犯人の性慾を刺激興奮させまたは満足させるという性的意図」が必要であるということを前提とした上で、第一審及び公訴審においてそのことについて証拠に基づいた認定をしていないことから、刑法176条前段の解釈適用を誤ったとして破棄差戻しをしている。
 一方、後の東京地裁判例について、東京地裁は、強制わいせつ罪の保護法益である性的羞恥心が客観的に害されれば強制わいせつ罪が成立するとしたため、本件犯人が性的意図を有していなかった(※)としても、本件行為は強制わいせつ罪の構成要件に該当するとした。
 また、東京地裁は、最高裁判例に引っ張られて、「自らを男性として性的に刺激、興奮させる性的意味を有した行為(=わいせつ行為)」であることについても言及しているが、そのことについて、東京地裁判例では、「わいせつ行為であることを認識しながら、あえてそのような行為に及んだ」ことから、故意の認定で用いているにすぎない。

 ※なお、「被告人としても同女の裸につき性的な興味がないわけではなかった旨、捜査段階において自認している」のではあるが、このことは強制わいせつ罪の成否に影響を与えていないことには注意が必要

偽証罪について

主観説

①嘘をつこうと思ったが結果的には真実を証言した場合には、構成要件に該当し、違法性阻却事由も責任阻却事由もないことから成立。

②記憶通りのことを言ったつもりだったが、実は記憶が誤っており、虚偽の事実を証言した場合には、構成要件に該当せず、不成立。

③嘘をつこうと思って、実際に虚偽の事実を証言した場合には、構成要件に該当し、違法性阻却事由も責任阻却事由もないことから成立

客観説

①嘘をつこうと思ったが結果的には真実を証言した場合には、構成要件に該当せず不成立。

②記憶通りのことを言ったつもりだったが、実は記憶が誤っており、虚偽の事実を証言した場合には、故意が存在しないことから、主観的構成要件該当性が否定され、不成立

③嘘をつこうと思って、実際に虚偽の事実を証言した場合には、構成要件に該当し、違法性阻却事由も責任阻却事由もないことから成立

条件関係

・少しでも死期を早めたのであれば、重傷者に対する発砲であっても、行為と結果との条件関係は肯定される

・また、先行行為の後に後行行為が介在した場合であっても、原則として先行行為と結果に条件関係は肯定される。ただし、先行行為と全く無関係な後行行為によって結果が引き起こされた場合には、否定する

過失=結果予見義務違反+結果回避義務違反

 過失を①結果予見義務違反及び②結果回避義務違反と解して、①結果予見義務には違反したものの、本件では衝突相手の車の走行態様の違法性が著しいことから、②結果回避義務を尽くしていても結果が発生したと考えられ、②結果回避義務違反を認定しなかったことから、過失犯を成立させなかった事案