BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

因果関係

相当因果関係説

条件関係に加えて、相当性が必要とする。

主観説・客観説・折衷説の3つがあるが、客観説と折衷説で対立

主観説:行為社が認識・予見した事情及び認識・予見しえた事情を考慮

客観説:行為当時存在したすべての事情及び行為後に生じた客観的に予見可能な事情を考慮

折衷説:行為当時一般人に認識・予見可能であった事情及び行為社が特に認識・予見していた事情

相当因果関係説の具体例

・折衷的相当因果関係説(行為時において一般人が認識可能な事情及び行為社が特に認識していた事情を基礎とする)からは、一般人も血友病であることを認識することができず、また、行為者XもAが血友病であることを認識していなかった以上、因果関係は否定される

・客観説(行為時に客観的に存在したすべての事情及び一般人に予見可能な行為後の事情を基礎とする)からは、客観的には行為時に被害者Aが血友病に羅患していた以上、Xが認識していなかったとしても、相当因果関係が認められると考えられる(血友病であれば、腕を刺したことによって地が止まらなくなり失血死してしまうということについては、社会生活上の経験に照らし相当と言える)

大阪南港事件

大阪南港事件では、折衷的相当因果関係説の立場からは、まず、先行行為がなければ結果は発生していないであろうことから条件関係を肯定した上で、やはりその後の第三者による後行行為については、一般人が予見可能ではないし、行為者も認識していない以上は相当因果関係を判断する上での基礎事情に入れることはできない。

しかし、後行行為について基礎事情に入れないとしても、大阪南港事件における被害者の死という結果と、先行行為との間には、先行行為により形成された死因と同一の死因で死ぬという関係について相当性を認めることができ、相当因果関係があると言える

行為後の被害者の行為の介在

判例50,51は、行為者によって被害者の行為が誘発された場合には、因果関係を認めている

判例52において、被害者が医師の指示に従わなかったという事情があるにしても、行為者による重大な傷害がそのまま進行して死亡したと考える

米兵ひき逃げ事件と大阪南港事件の違い

前者は、死の結果を惹起した原因が、最初の衝突か、その後の引きずり下ろす行為かが定かではないけれど、後者は、先行行為が原因であることが認定されて、因果関係が肯定されたという違いがある

ウェーバーの概括的故意

 判決では、直接的な死因は砂の吸引による窒息死であるとしても、殺害の目的をもって首をしめた後(先行行為)、相手が死んだと思って犯行発覚を防ぐ目的で海岸に運び、砂の上に放置する行為(後行行為)が、先行行為がなければ後行行為も発生していない関係にあることはもちろんのこと、社会生活上の経験に照らしても先行行為と結果との間の因果関係に相当性があることから、因果関係を肯定している