BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

同時履行の抗弁権

売主が自動車を引き渡してくれない場合

 契約内容によるが、通常、売買契約は同時履行の関係に立つ双務契約であることから、先に代金を支払うよう売主が求めてきたとしても、買主は同時履行の抗弁権を主張して、支払いと引換えに自動車の給付を求めることができる

移転登記に買主が応じない場合

 移転登記については、本来、土地の売買契約の内容に含まれており、そうであるとすれば、代金の支払いと土地の移転登記は同時履行の関係に立つ(また、登記に関する不完全物件変動説からもこれが導けそう)。

 そして、売主が移転登記をすべく登記所に赴いたことは弁済の提供と考えられる。

 一方、買主は登記所に現れなかった。

 この場合、買主の同時履行の抗弁権が完全に奪われてしまい、以後は売主からの代金の請求を一切拒めないと考えることもできるが、そのようにすると、例えば売主が確実に土地を引き渡して登記を移転してくれる可能性が著しく低下したときであっても代金を支払わなければならなくなり、当事者間の公平が保たれない。

 そこで、代金を請求するためには、改めて登記を移転するための弁済の提供をするべきである。

不安の抗弁

 定期的に加工食品を小売店に販売する契約を結んでおり、代金の支払が毎月末となっていた場合、小売店に信用不安が発生し、月末の代金支払いが危ぶまれる情況となったのであれば、信義則上不安の抗弁権を用いて、先履行を拒むことができる

第三者のためにする契約

 学生の親が、自分の名で、マンション1室(転貸禁止特約あり。定員1名)の賃貸借契約を締結し、子である学生に住ませるというのは、第三者のためにする契約か。

 そうであるとすれば、受益の意思表示をした時点で、学生(受益者)に諸々の義務が生じることとなる