BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

不作為犯

不作為犯

不作為により構成要件を実現する犯罪

・真正不作為犯:不作為を明示的に構成要件要素として規定し、それが犯罪となる条件を法文上明定しているもの

・不真正不作為犯:不作為が明示的に構成要件要素として規定されていない犯罪であって、通常は作為により実現される構成要件を不作為で実現するもの

不真正不作為犯は罪刑法定主義に反しないか

 真正不作為犯以外の犯罪において、規定の仕方を見ても、作為が構成要件要素であるわけではないため、不真正不作為犯の処罰が罪刑法定主義に違反するとはいえない

不作為と因果関係

 かつては、ある行為をしていたら結果が発生していなかったという観点から因果関係が判断された。それが「十中八九同女の救命が可能」事件。しかし、現在においてはこれも危険の現実化で考えてよい

不真正不作為犯の成立要件

①作為義務(←法律、契約・事務管理、慣習・条理) 保証人的地位説

②作為可能性(可能性・容易性)

→①②に基づいた作為との構成要件的同視可能性

不作為の放火罪

揮発の危険を利用する意思は不要

シャクティパット

 先行行為により被告人に保障的地位が与えられており、条理上の作為義務が発生している。

 さらに、病院に搬送するのは容易で可能であったにも関わらず、それを行っていない。

 被害者の家族も被告人のことを信じ切っており、他に被害者を救命することができる者もいなかったことも考えると、本件不作為は、作為と同視することができる。

 以上のことから、殺人罪の客観的構成要件に該当する。

 また、被害者が極めて危険な状態にあったことを認識した上で必要な措置を行わなかったという点で、未必の故意を有していると考えられ、殺人罪の主観的構成要件にも該当する。

 以上のことから、不作為の殺人罪が成立する。