BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

違法性(結果無価値・行為無価値)

実質的違法性論、結果無価値論・行為無価値論

実質的違法性論は、違法性を、実質的根拠から理解する理論。

 実質的違法性を理解するにあたり、刑法の任務を法益保護と解し、法益侵害・危険の惹起が禁止の対象であるとして、結果無価値の惹起が違法性の実質をなすとする結果無価値論と、刑法の任務を法益保護及び社会倫理の保護と解し、法益侵害・危険の惹起に加え行為に対する社会的非難を違法性の評価に加味すべきだとする行為無価値論がある。

 ↑行為無価値については、折衷的行為無価値論的説明

判例の立場

 判例は、折衷的行為無価値論に類する独自の立場。

 結果無価値に加えて行為無価値が違法性の実質であると考えることから、行為無価値が残るが、結果無価値のみが欠如する場合、違法性阻却は認められない

違法性阻却の一般原理

結果無価値:法益性の欠如と法益衡量(法益衡量説)

行為無価値:法益性の欠如と法益衡量+社会的相当性(社会的相当性説)

※社会的相当性=「その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認される」

外務省機密漏洩事件

 被告人は、取材という業務上の正当行為であるとして違法性阻却を主張したが、裁判所は、社会的相当性を欠くとして違法性阻却を認めなかった

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疑問点

・相対的応報刑論(刑罰の本質を応報に求めるとしても、犯罪予防にとって必要である場合に限って、刑罰を科すことが正当化される)の立場からは、結果無価値のみならず行為無価値も考慮した、行為無価値論をとるべきなのではないか。結果無価値はどのようにその整合をとるのか。評価規範に客観的に反することが違法で、命令規範に主観的に反することが責任と解し(客観的違法性論)、「犯罪予防にとって必要」ということは、責任の部分で見ればいいということか。