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法学の予習ノート

組合、和解

ゲームソフト開発組合

 Aはパソコン及び周辺機器、Bは部屋、Cはプログラミングという労務を、それぞれ出資している。

 Cは労務の出資であるが、これも法律上認められる(667条2項)。

 それぞれの出資額は、パソコン及び周辺機器については出資時の原価、部屋の賃料及び労務については、組合の目的を達成するのに必要な期間や作業量等に基づいて算出される。

利益の分配

 利益の分配については、組合契約に特別の定めがある場合には、それに従う。損失又は利益の片方のみについて定めた場合、定めていない方にもそれが適用される(674条2項)。

 特別の定めがない場合は、出資額の割合に応じて分配される(674条1項)。

出資したパソコンの引き上げ

 組合契約においては、組合を脱退しない限り、持分の分割は認められていないことから(676条2項)、出資したパソコンの返却を求めることはできない。

 なお、他の組合員の了承がある場合には、新たに組合契約を締結しなおすことによって出資したパソコンを引き上げることはできる。

組合に対する債権

 組合は法人格を持たず、また、組合の債務は、組合員に合有的に帰属するため、組合財産に対して権利を行使するためには、債権者は組合員全員に対して支払を請求する必要がある。

 ただし、組合に対する債権者は、組合財産に対して権利を行使するのとは別に、各組合員各自の固有財産をも引当とすることができるから、債権発生時に、損益分担の割合を債権者が知っていた場合はその割合に従って、知らなかった場合は3分の1ずつ、組合員に対して直接請求することができる(675条)。

事業を終了する場合

 組合が事業を終了し、解散する場合、総組合員の共同あるいは清算人により清算がなされる(685条)。

 その際、残余財産は、出資の価額に応じて分割する(688条3項)。

境界に関する和解

 隣接する土地の所有者が境界について争っていたところ、最終提起に新たに境界線を引くことで合意している。これは、もともとの境界線が明らかでなかった以上、「互譲」があったといえ、和解契約(695条)が成立しているといえる。

 したがって、和解契約には確定効(696条)があることから、境界線について、異なる測量図がその後に発見されたとしても、和解契約には効果を及ぼさない(696条)。

 和解契約の効力は、前提として争わなかった事項には及ばないが、後から出てきた測量図が証する境界の位置は、そもそも紛争の対象となっており和解の対象となっていた事項であることから、和解契約の締結の対象範囲に含まれているものであって、その効果が及ぶからである。

 また、互譲の対象となった事項又は基礎として予定した事項に錯誤があったわけではないことから、錯誤無効(95条)の主張も認められない。

 なお、あくまでも筆界に関する和解は当事者間でのみ効力を生じ、それによって当然に土地台帳の変更を求めることはできない。

関連条文

組合

(組合契約)
第六百六十七条  組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
2  出資は、労務をその目的とすることができる。

(組合員の損益分配の割合)
第六百七十四条  当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。
2  利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益及び損失に共通であるものと推定する。

(組合員に対する組合の債権者の権利の行使)
第六百七十五条  組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。

(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)
第六百七十六条  組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。
2  組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。

(組合の清算及び清算人の選任)
第六百八十五条  組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。
2  清算人の選任は、総組合員の過半数で決する。

(清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法)
第六百八十八条  清算人の職務は、次のとおりとする。
一  現務の結了
二  債権の取立て及び債務の弁済
三  残余財産の引渡し
2  清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
3  残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。

和解

(和解)
第六百九十五条  和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

(和解の効力)
第六百九十六条  当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。