BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

任意捜査と強制捜査

任意で出頭した後の取り調べ

 自らすすんで警察署に出頭したため、強制の処分には当たらず、任意捜査として許容される。取調室においても、事前に予告した横領事件についてのものであるためとりたてて問題はなく、捜査比例の原則等に鑑みて取調べについて違法な点がなければ問題ない。

これって逮捕では?

 本件では、Xが抵抗していることも踏まえると、任意ではなく、また、身体の自由という重要な権利を制約していることから、意思に反する重大な権利利益の実質的制約といえ、「強制の処分」(197条1項ただし書)にあたる。具体的には、「逮捕」(199条)にあたる。そして、本件では犯行の直後でもなく現行犯逮捕(213条)に当たらず、準現行犯(212条2項)にもあたらない。したがって、令状がない本件逮捕は許されない(199条)。なお、緊急逮捕には当たるかもしれないが、その後令状を請求していなければ許されない。

任意処分と強制処分の区別

 強制処分とは、「個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段」。

 第1審は、実質上逮捕するのと同様の効果を得ようとするということで、強制強制処分としていた。

昭和51年決定の判断

 K巡査の静止行為を任意処分とした。

 K巡査の静止行為の程度がさほど強いものではないことから。

「必要な取調」として、常に適法となる?

 常に適法とはいえない。裁量も、比例原則によって統制されるところ、任意捜査については捜査比例の原則が打倒する。

 「矯正手段にあたらない有形力の行使であっても、何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるのであるから、状況のいかんを問わず常に許容されるものと買いするのは相当でなく、必要性、緊急性などをもこうりょしたうえ、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべきである。」

静止行為による法益侵害

 身体の移動の自由が侵害される。

 意思に反しない場合に、根拠規定が必要ないのは、法律の留保(侵害留保説)とパラレルに考えられる。

 他方、意思に反する場合であっても、刑事訴訟法に定められた「強制の処分」が、「逮捕」や「捜索」「差押え」など、重大な権利利益に対する制約に限られていることから、その程度まで至らないものについては、任意処分として、197条1項を根拠に行うことができることになる。

「具体的状況のもとで相当と認められる限度」の判断

 失われる利益(K巡査の静止行為の程度がさほど強くないこと)と、必要性・緊急性(酒酔い運転の罪の疑いが濃厚だったこと、被告人が急に退室しようとしたための措置であること)との比較衡量 

住居内についての、望遠レンズ等による撮影

 そもそも国民は、私生活所の自由のひとつとして、私的領域における活動をみだりに外部に見られない自由を有しており、そのことは憲法13条でも確認されるところ、本件撮影対象者は当該自由が制約されている。特に、公道上の写真撮影とは異なり、室内における活動についてはプライバシーの期待が高く、保護すべき要請が強い。

 また、本件での撮影態様からして、撮影対象者の同意を得ていないことも認められる。

 したがって、本件写真撮影は、意思に反する重大な権利利益の実質的制約であるといえ、「強制の処分」(197条1項ただし書)にあたる。

 具体的には、「検証」(218条1項)にあたることから、令状なしでの撮影は許されないことになる。

※GPS捜査のように、憲法35条を持ち出すべき??