BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

債務の種類

割引現在価値と法定利率

 逸失利益の割引現在価値について、高率の法定利率によって計算すると、逸失利益の算定が少なくなる。なぜならば、割引現在価値は、

(将来のある年の発生金額)÷(1+(法定利率))^(現在から当該年までの年数)

となるからである。

改正民法の利率規定

 いつの時点から3年の期間がはじまるかが定まっていなければ解けない。

 2020年の見直しで1%になるような気がするのだけれど…。本では3%と書いてある。

 2017年から3年間を計算するとすれば、2017年時点では基準割合0%で、2020年時点では基準割合0.3%で、差が0.3%なので変動なし。2023年には基準割合1.5%となって差が1.2%となるため、4%となる。

 もっとも、2020年に3%であるとすれば、履行遅滞となった2021年12月31日経過時点における利率が3%であるため、3%で計算することになる。

 なお、2019年に施行するとすれば、その時点での基準利率は0.1%。その場合でも3%で計算することになる。さらに、2022年の基準利率は、(0.5+1+1.5+2)/5で1%のため、差が0.9%であって利率は変動しない。

過払い金

引き直さない場合

 元本100万円のため、利息制限法1条1項により、利率の上限は15%。

 判例に基づけば、利息制限法を超えた部分について、元本に充当される。

 以下、毎年2月1日には利息しか払っていないとした場合。

 1981年。この時点で、返済すべき金額は115万円(100*1.15)。40万円を返済しているため、元本が75万円となる。

 1982年。この時点で、返済すべき金額は86.25万円(75*1.15)。40万円を返済しているため、元本が46.25万円となる。

 1983年。この時点で、返済すべき金額は53.1875万円(46.25*1.15)。40万円を返済しているため、元本が13.1875万円となる。

 1984年。この時点で、返済すべき金額は15.165625万円(13.1875*1.15)。40万円を返済しており、この時点でXに24.834375万円の不当利得が発生している。

 1981年2月15日時点で、YはXに対して利息として支払った25万円について、元本に充当するように求めることができる。

 1984年2月1日に、元本の返済を求められたYは、既に支払済みであることから請求を拒むとともに、24.834375万円の不当利得について返還請求をすることができる(704条)。

引き直す場合

 元本100万円のため、利息制限法1条1項により、利率の上限は15%。

 判例に基づけば、利息制限法を超えた部分について、元本に充当される。

 以下、毎年2月1日には利息しか払っていないとした場合。

 1981年。この時点で、返済すべき金額は115万円(100*1.15)。40万円を返済しているため、元本が75万円となる。

 このとき、利率の上限は18%。

 1982年。この時点で、返済すべき金額は88.5万円(75*1.18)。40万円を返済しているため、元本が48.5万円となる。

 1983年。この時点で、返済すべき金額は57.23万円(48.5*1.18)。40万円を返済しているため、元本が17.23万円となる。

 1984年。この時点で、返済すべき金額は20.3314万円(17.23*1.18)。40万円を返済しており、この時点でXに19.6686万円の不当利得が発生している。

 1981年2月15日時点で、YはXに対して利息として支払った25万円について、元本に充当するように求めることができる。

 1984年2月1日に、元本の返済を求められたYは、既に支払済みであることから請求を拒むとともに、19.6686万円の不当利得について返還請求をすることができる(704条)。

みなし弁済

 問題文記載の契約書が、法定の書面であり、法定の受取証書も交付されているとする。

 その場合、みなし弁済として、利息の弁済として有効になってしまう。

 もっとも、その場合でも、出資取締法の29.2%が上限となる。

 したがって、2001年、本来は129.2万円。40万円の弁済をしているため89.2万円。

 2002年、本来は115.2464万円。40万円の弁済をしているため75.2464万円。

 2003年、本来は97.2183488万円。40万円の弁済をしているため57.2183488万円。

 2004年、本来は73.9261066496万円。40万円の弁済をしているため残り33.9261066496万円。

必要な行為

 (私見)「必要な行為」とは、債権者が履行を受けようとすればすぐに受けられる状況を作り出す行為をいうものと考える。

 もっとも、可能な限りカテゴリカルに決したほうが、法律関係が明確になるため望ましい。

特定物と種類物

特定物

 ヴィンテージカー甲は、特定物であるものと考えられる。

 引渡し前に大破している以上、Yに帰責性がなければ、買主XはYに対して大破したヴィンテージカー甲の引渡しを請求することしかできない(支配可能性説をとらなければ)。他方、YからXへの代金請求権は消滅しない(現534条1項)

 Yに帰責性があれば、善管注意義務(400条)違反で、債務不履行責任を追及できる。

 新法でも基本的な構造は同じ

種類物

 Tシャツは種類物であるため、Yとしてはいまだに、正常なM-10を600着Xに対して給付すべき債務を負っており、Xはその履行を求めることができる。

 これにより履行遅滞になれば、履行遅滞責任を追及できる(解除・損害賠償)

 他方、YとしてはXに対して正常なM-10を給付しなければ、代金請求をしても同時履行の抗弁を主張される可能性がある。

制限種類物債権

 制限種類物であるため、Xとしては、正常なM-10の引渡しを請求することはできない。

 本件では帰責性が認められるため、Xは、Yの履行不能について責任を追及できる(現415条、543条)

選択債権

買主に選択権あり。契約締結前に目的物のひとつが滅失

旧法

 乙が目的物となる(410条1項前段)

新法

 買主に帰責性がある場合。目的物は乙に特定される(410条)。

 買主に帰責性がない場合。買主は甲も乙も選択することができる。甲を選択した場合には、解除(542条1項1号)をすることができる。債務者である売主の帰責性が認められる場合、損害賠償ができる(415条1項、2項1号)

買主に選択権あり。契約締結後、選択前に売主の過失により目的物のひとつが滅失

旧法

 売主は選択権を有していないから、410条2項により、買主は甲も乙も選択することができ、甲を選択した場合には債務不履行責任(415条、543条)を追及できるし、乙を選択した場合には乙の引渡しを請求することができる

新法

 選択権のある買主の過失によるものではないことから、買主は甲も乙も選択することができる。甲を選択した場合には、解除(542条1項1号)をすることができる。本件では、債務者である売主の帰責性が認められるため、損害賠償ができる(415条1項、2項1号)

売主に選択権あり。契約締結後、選択前に買主の過失により目的物のひとつが滅失

旧法

 買主は選択権を有していないから、410条2項により、売主は甲も乙も選択することができる。甲を選択した場合でも、債権は消滅しない(536条2項)。

新法

 選択権のある売主の過失によるものではないことから、売主は甲も乙も選択することができる。けれど、普通は乙を選択するはず

 甲を選択した場合には、解除(542条1項1号)をすることができる。自然災害であって帰責性が認められないという場合には、損害賠償はできない(415条1項、2項1号)

売主に選択権あり。契約締結後、選択前に売主の過失により目的物のひとつが滅失

旧法

 売主は選択権を有しているから、410条1項後段により、目的物は乙に特定される(410条1項後段)

新法

 売主は選択権を有しているから、410条により、目的物は乙に特定される

売主に選択権あり。契約締結後、選択前に過失なく目的物のひとつが滅失

旧法

 410条1項により、目的物は乙に特定される(410条1項後段)

新法

 選択権のある売主の過失によるものではないことから、売主は甲も乙も選択することができる。けれど、普通は乙を選択するはず。

 甲を選択した場合には、買主は、解除(542条1項1号)をすることができる。自然災害であって帰責性が認められないという場合には、損害賠償はできない(415条1項、2項1号)