BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

民事訴訟の概観

訴額よりも大きい金額を裁判所が認定することはできるか

 民事訴訟は、実体法である民法を実現する手続であることから、私的自治の原則が妥当する。そして、それは訴訟物レベルにおいては、処分権主義として作用する。

 したがって、裁判所は、通常の民事訴訟においては原告が請求した金額以上の金額の支払を被告に対して命じることはできない。

 このことは、民事訴訟法246条によっても確認できる。

(判決事項)
第二百四十六条  裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。

原告が一切求めていない判決

 本件で、原告は、1000万円の売買代金の支払を求めている。

 したがって、契約が無効であるという判断に達したのであれば、被告から原告への1000万円の支払を認容しない(原告の請求を棄却する)という判決を下すべきであり、売買目的物を原告に返還するよう被告に命じる判決をすることはできない。

 ただし、裁判所は、釈明権(149条)を行使して、被告に訴えの変更を促すことはできる(?)