BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

任意同行と取調べ

被疑者ではない者からの事情聴取

 出頭を求め、取り調べる(223条1項)。

 拒んだ場合、要件を満たせば第1回公判期日前に、証人尋問を請求することもできる(227条1項)

被疑者からの事情聴取

 出頭を求め、取り調べる(198条1項)。

被疑者が出頭を求められた場合

 出頭を拒むこともできる(198条1項ただし書)

被疑者を警察署に同行することはできる?同行を拒んだ場合は?

 被疑者の同意があればできる。拒んだ場合、その態様によっては強制処分(逮捕)にあたり、強制処分法定主義の観点から令状がなければ許されないことになる

任意同行していた被疑者が帰宅を求めた場合は?

 帰宅を求めた場合には、帰宅させなければならない(198条1項ただし書)

被疑者の任意の協力が得られない場合の対応。逮捕した場合は?

 被疑者の協力が得られない場合には、令状を取得して逮捕した上で取り調べることが考えられる。

 もっとも、逮捕したからといって当然に取調受忍義務があるかどうかは議論がある(cfアルマp.95)

第三者からの事情聴取と、被疑者からの事情聴取の差異

 基本的に任意であるという点では同じ。

 ただし、身体拘束中の取調受忍義務を肯定する立場からは、被疑者は逮捕されれば取調受忍義務を負うことになる。

 他方、第三者の場合には、要件を満たせば強制処分として証人尋問に応ずる義務がある(227条1項)

東京高判昭54.8.14を、実質的には逮捕にあたるものと判断した事情。当該事情から導かれた理由

 場所:覆面パトカーでの同行。また、駐在所から飯山署までは車で50分ほどかかるほどの距離にある

 方法・態様:覆面パトカーの後部座席で、T部長とU警部補がXを挟んでいた

 時刻:午後11時以降

 同行後の状況:同行後も取調が行われた。また、帰ろうとしてもT部長にとめられた(取調も強制の程度が強い)

神戸地決昭43.7.9と富山地決昭54.7.26について

神戸地決昭43.7.9

 アパートから葺合(ふきあい)警察署まで連行された行為。

・行き先を告げなかったこと
・被疑者を取り囲んだ状態で家から連れ出したこと
・タクシーに同乗させて警察署まで連行したこと

 態様や状況に照らせば、客観的には被疑者に対する逮捕行為が開始されたものと認められた

富山地決昭54.7.26

 7時以降の取調について

・長時間にわたり断続的に続けられた
・夜間の取調につき、推認される被疑者の意思に反している

→任意ではなくなっている

東京高判昭54.8.14において、飯山署における被疑者の取調は適法か

 「まだ逮捕していないなら帰らせてもらう」といっているのに部長にとめられたことは、198条1項ただし書に違反しているものと思われる。

 もっとも、これが、令状主義を先達するような重大な違法で、将来の違法捜査抑止の観点から排除すべきものであるかはより詳しく事情をしる必要がある