BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

法律による行政の原理

法律による行政の原理と憲法84条の関係

 旭川市国民健康保険料事件においては、公法関係において名分なく妥当する法律による行政の原理(国民に対して義務を瑕疵又は権利を制限するには法律の根拠を要するという法原則)を租税について厳格化した形で明文化したもの

保険料について84条の要求が薄まる理由

 保険料については、租税に類似することから84条の趣旨が及ぶものの、国民健康保険の目的、特質等をも総合考慮すると84条の要求が薄まる。

 国民健康保険の目的とは、相互扶助の精神である。

 規律密度の違い? 類似はしているけれども全く同じわけではないことから、その目的、特質に鑑みて規律密度を下げることはありうるのではないか。

国民健康保険法

(条例又は規約への委任)
第八十一条 この章に規定するもののほか、賦課額、料率、納期、減額賦課その他保険料の賦課及び徴収等に関する事項は、政令で定める基準に従つて条例又は規約で定める。

行政の緊急措置

 法律に根拠のない実力行使を認めたわけではない。しかし、民法720条の法意に照らして、違法性が阻却されている。

 Aが原告の損害賠償請求訴訟においては、民法720条が直接適用されることになるものと思われる。 

公表

 侵害的な行政行為となるような「公表」については、法律の根拠を有するべきである。具体的には、ブラック企業(労働基準法を遵守しない企業)の公表などについてである。

租税法規の遡及適用

 一旦成立した納税義務を荷重されるなどの不利益を与えるものではなく、損益通算をして租税負担の軽減を図ることを納税者が期待し得る地位を失われたにすぎないことから、本件の遡及適用は不利益を生じさせるものではなく、「行政法における不利益的な遡及適用は不可」との考え方に反するものではない