BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

逮捕・勾留

逮捕状発付の要件

①逮捕の理由「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(199条1項・2項)

②逮捕の必要(199条2項ただし書)

 本件で、逮捕の理由は認められるかもしれないが、逮捕の必要が認められるかは微妙。Vは所在不明となっているものの、Wに対してXが働きかけて罪証を隠滅する可能性があることから、必要性を肯定してもいいように思われる。

逮捕状発付の要件と勾留状発付の要件の違い

勾留状発付の要件

①勾留の理由(罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由。60条1項本文)

②勾留の必要

 ※住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれ

 必要とされる犯罪の嫌疑の程度は、勾留の方が強く求められる。

京都地決昭44.11.5で現行犯人にあたらないとされた理由

 逮捕者である司法巡査が犯行現場に居合わせて被疑者の犯行を目撃していたわけではなく、また、明白に犯人と認められるような状況にあったわけでもない

 最決昭和31.10.25では、手に怪我をして、大声で叫びながら、パンツ1つで足を洗っていたことから、明白に犯人と認められるような状況があった点で異なる

京都地決昭44.11.5で準現行犯人にあたらない理由

 一度逃走していることから、「犯人としてツイコされている」とはいえない

 申告した犯人と似ているからといって、それは犯人性の問題であって、犯罪の顕著な証跡があるとはいえない。

職務質問に対し逃走しようとした場合

「誰何されて逃走しようとするとき」(212条2項4号)に当たり、準現行犯として逮捕できる

京都地決昭44.11.5で逮捕するなら?

 緊急逮捕(210条)によることができる

映画館の公然わいせつ

 できる? 映画館が基本的に多くの人が出入りするものであるから難しいかもしれない

強制わいせつ

 閉店後の店内であって、誰も出入りできないことから、犯人の明白性が認められ、できるかもしれない

競馬の呑み行為

 喫茶店で現金のやりとりをすることは想定しうることであることから、数字の書き込んであるメモと現金のやり取りだけで、犯罪の明白性があるとはいえないのではないのか

勾留を請求するための手続

 勾留を請求するためには、逮捕前置が必要である(207条1項参照)

起訴後の勾留手続

 60条1項の要件に該当すれば、勾留できる

勾留状が発付されるまでの間

 逮捕の期間制限内であれば、逮捕されたままである。

 他方、期間制限を超えた場合には、一度釈放される?

公訴が提起されたあと

 公訴が提起されたあとは、勾留されるのであれば勾留される

被疑事実が変動した場合

 原則として、別の被疑事実で逮捕しなければいけない。

 これは、逮捕前置主義の趣旨(身体拘束の当初は事情変更が生じやすく、犯罪の嫌疑や拘束の必要性の判断が流動的であるため、被疑者の身体の拘束にあたり、最初から長期間の拘束である勾留を認めるよりも、まず短期間の拘束である逮捕を先行させ、その間にできる限り捜査を尽くさせ、なお犯罪の嫌疑及び身柄拘束の必要性がある場合に初めて勾留を認めるという慎重な方法をとることにより、被疑者の人身の保護をまっとうするということ)から考えるべきものである。

 したがって、被疑事実が同じであれば、多少の事情変更があっても許されるものと考えるべきである。

 よって、単なる金額の違いの場合には問題ない。

 詐欺と横領の場合は微妙。罪名は異なるが、この場面において罪刑法定主義は妥当しないだろうし、Aから100万円を奪ったという事実は変わらないから、許されるのではないか。

 被害者が異なる場合は、そもそも基礎となる事実関係が異なることから、許されないのではないか。

 また、追加で被害者が出てきた場合については、そちらについても形式的に逮捕をした上で、別のものとして勾留請求するべきではないか(もっとも、一罪一逮捕一勾留の原則から、科刑上一罪となる場合は別)。

事件単位の原則

 逮捕・勾留された根拠となる被疑事実は、逮捕状に記載される他、逮捕の際に犯罪事実の要旨が告知される(203条1項)。さらに、勾留請求をされた場合には、被疑者に対して被疑事実を告げる(207条1項、61条)。

 被疑事実を単位として考える場合、別の被疑事実だから許されるのではないか。

 被疑者を単位として考え、余罪も考慮して判定するのであれば、許されないのではないか。

 もっとも、全然異なる事件である場合には、捜査機関としては知ることができる可能性が低く、前者の考え方が妥当なのではないか(一罪一逮捕一勾留の原則との関係で、観念上逮捕が可能だった場合を除く)

 ①の事実のみで逮捕しているのであれば、②を理由に延長することは許されないものと考えられる