BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

取締役の義務と責任

最判平22.7.15

意思決定過程

・全般的な経営方針等を協議する期間である経営会議において検討

・弁護士の意見も聴取

→何ら不合理な点は見当たらない

判断内容

・任意の合意に基いて株式を買い取ることは、円滑に株式取得を進める方法として合理性がある

・設立から5年しか経過していないことから、設立時の払込価格の5年としても相応の合理性がないわけではない

・友好関係を維持することは事業遂行のために有益であった

・株式交換比率についても、A社の株式は非上場株式で評価額には幅があり、また企業価値の増加も期待できた

→内容が著しく不合理とはいえない

※原審は、買取価格を5万円とすることの必要性や完全子会社化の効果について十分な調査・検討がされていないことから、「裁量の範囲を逸脱」とする

最判昭44.11.26

 

東京高判平17.1.18

①会社が損害を回復すれば株主の損害も回復するという関係にあること

②取締役が、会社及び株主に対して二重の責任を負うことを避ける一方で、免責規定と矛盾しない必要+株主の平等

→直接損害は、代表訴訟によらなければならない

最判昭48.5.22

 本件の会社は、取締役会も開催されず、会計帳簿も決算書類もほとんど作成されていない、法人格が形骸化したような会社であった

最判平21.7.9

 義務とされるリスク管理体制の水準は、「通常想定される架空売上の計上等の不正行為を防止しうる程度の管理体制」とされている

最判昭47.6.15、最判昭和62.4.16

 前者では、辞任していない名目上の取締役(そもそも選任すらされていない)で、後者では、辞任した取締役である。

 このことから、類推適用の要件に違いが出てきている(前者では、故意・過失の存在。後者では、辞任登記を真正しないで不実の登記を残存させることにつき明示的に承諾を与えていたこと)