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法学の予習ノート

社債、社債管理者、社債権者集会、新株予約権付社債等

236条1項2号の払込みと、238条1項3号の払込みの違い

第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。
一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法

第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。
一 募集新株予約権の内容及び数
二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法

236条1項7号の取得条項

七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項
イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由
ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨
ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法
ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法
ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項
チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法

新株予約権の利用方法

 役員のインセンティブ報酬

 新株予約権付社債(2条22号)

 ライツ・オファリング(新株予約権無償割当て)

 業務提携

募集手続(238条以下)と新株予約権無償割当て(277条以下)による場合との異同

 公開会社ではいずれも取締役会決議。

 非公開会社では、株主総会だが、募集手続の場合は特別決議であり(238条2項、241条3項4号、309条2項6号)、新株予約権無償割当ての場合は普通決議である(278条3項)

(新株予約権無償割当て)
第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。


(新株予約権無償割当てに関する事項の決定)
第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法
二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法
三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日
四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。
3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。


(新株予約権無償割当ての効力の発生等)
第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。
2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。
3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。

新株予約権の有利発行の判断

東京地決平成18.6.30(62)

 公正なオプション価格とを比較し、それを大きく下回る場合は有利発行となる

インセンティブ報酬として新株予約権を付与する場合の手続

 新株予約権は、公開会社であれば有利発行の場合に株主総会の特別決議が必要だし、非公開会社でも株主総会での説明が要求される(238条3項)が、

報酬として発行される場合には、金銭の払込を要しないこととして発行する場合であっても、有利発行としての株主総会の決議は要しない(238条3項1号反対解釈)

担保付社債と振替社債

担保付社債→担保付社債信託法

振替社債→振替法

社債管理者設置の強制

田中p.529

 原則は設置が強制される(702条本文)

 しかし、

①各社債の金額が1億円以上である場合、

又は

②ある種類の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額で除して得た数が50人を下回る場合(当該種類の社債の社債権者が50人以上とならない場合)

には免除される(702条ただし書き、規則169条)

 

①は、1億円以上の債権者であれば自らの権利は自ら保全・実行できると考えられるから

②は、当該種類の社債の発行が多数の投資者の利害に影響を与えないから

社債管理者の義務

 公平誠実義務(704条1項)

 善管注意義務(704条2項)

社債権者集会制度の趣旨

 社債の償還が危ぶまれる場合に、社債全部について猶予や減免をすれば、すべての社債権者にとって有利となる可能性があるから。

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