BENRY[ベンリ―]

法学の予習ノート

挙証責任と推定

嘱託殺人

 犯人性について、合理的な疑いを超える程度の証明がなされていない以上、Xに対して有罪判決を下すことはできない

挙証責任の所在

 殺意をもって、人を殺したという殺人罪の構成要件については証明されているものと考えられ、通常の殺人罪で有罪判決を下すことができるのでは?とも思うが、「疑わしきは被告人の利益に」という利益原則からしたら、嘱託殺人ではないということまで、検察官が立証責任を負うとして、殺人罪の判決を下すことができないものと考えられる。

 他方、嘱託があったことについては合理的な疑いを超える程度の証明はされていないが、上記の利益原則により、嘱託殺人についての判決を下すことはできる

間接事実と直接事実

被告人に愛児がいた可能性が高いこと、被害者から暴力を受けていた可能性が高いことというのは、殺意の存在という直接事実を証明するための間接事実にすぎないため、自由心証主義が妥当する。したがって、考慮することができる

正当防衛

 構成要件該当性が認められれば、原則として違法性があると考えられるものの、正当防衛という違法性阻却事由が主張されている。この場合、正当防衛という争点が顕在化している以上、検察官が正当防衛ではないことについての立証責任を負う。従って、正当防衛ではないことを証明できていない以上、有罪判決をすることはできない